>>1.基本&ルール >>1.2.道具とルール >>1.2.3.ゲート通過と継続打撃権

ゲートボールのルール(2)ゲート通過と継続打撃権

試合形式は理解できたでしょうか?この記事では得点の手段としてのゲート通過と自球(自分のボールのこと)がゲートを通過した際に得られる「継続打撃権」について説明します。ゲート通過による得点の原理を学べば、チームの得点が計算でき、勝敗の決定も自分でできます。

ゲートを通過すると何が起きるか?

ゲートボールの競技名にも含まれているようにゲートは非常に重要です。ゲートには、第一ゲート、第二ゲート、第三ゲートの3つがあることは以前に書いた通りですが、ゲートを通ると何ができるのか、ゲートを通らないと何が起きるのかを説明したいと思います。

1.第一ゲートを通らないと試合に参加できない

初めに通らないデメリットから。主審によって試合の開始が宣告された後、一番の打者は第一ゲートの通過を目指します。なぜそんなことをするのかというと、第一ゲートを通らないとゲームに参加できないからです。

第一ゲートはスタート地点(スタートエリアと呼ばれる幅2mの長方形)から4m離れた位置にあります。4m先のゲートを実際に狙ってみると、かなり狭く遠く感じるでしょう。打者はスタートエリアの内部に置いた自球を打撃し、その球がゲートの内部を通り、球全体がゲート線(ゲートの足の後ろ側を結んだ線)を完全に超えた瞬間をもって第一ゲート通過とします(2015規則)。詳しくは下の図をご覧ください。

第一ゲートの位置とスタートエリア

スタートエリアと球の置き方:スタートエリア(灰色)は2m幅の長方形で、ボールが一部でもスタートエリアに掛かっていればどこに置いても良い(最前方に置くのが距離的に有利)。この例では赤ボールは全てOK、白ボールは全てNGである。白ボールのような置き方をして第一ゲートを通過した場合は通過が認められない。

ゲート線の概念:ゲート足の後ろ側(得点になる進行の向きに対して)を結んだ線をゲート線と言い、ボールがゲート線を完全に超えるとゲート通過となる。下の3つの例では、上から順番にゲート線に掛かっているので未通過、ゲート線を完全に越えているので通過、ゲート線を完全に越えてから地形で戻ってきただけなので通過となる。この判定は全ゲートで共通。

第一ゲート通過を通過しなかったボールはコート内に存在してはいけないので、その場から取り除かれます。通過しなかった場合、打者は次の打順が回ってきた際に改めてスタートエリアから第一ゲート通過を狙わねばなりません。通過できない限りやり直しは試合終了まで続きます。

ちなみに「刻んで」第一ゲートを通過することはできません。第一ゲートを通っていないボールはコート内に存在する権利がないので当たり前ですね。

2.ゲートを通ると得点が1点プラスされ、1回の継続打撃権が得られる。

得点が+1はいいとして「継続打撃権」という概念がわかりにくいと思いますので、先にゲートボールの打撃権について説明します。打者は打順が回ってきた際に自動的に1回の打撃権を付与されます。その1回を使ってゲートに近づいたり、味方の近くに移動したりして、自動的に付与された打撃権を消費して打順終了というのが通常なのですが、その後にも続けて打てる場合が2つあります。一つは自球がゲート通過して得点をした場合、もう一つは後述しますがタッチをした場合です。

ゲート通過をすると通過が成立した瞬間にその球の得点に1点が加算されます。ゲートボールはチームの合計得点を競う競技ですが、得点はそれぞれのボールに加算されます。ゲーム開始時は、全てのボールが0点ボールです。各ゲートを通過する度に、第一ゲートであれば0点から1点へ、第二ゲートであれば1点から2点に、第三ゲートであれば2点から3点になるというわけです。それぞれのゲートは一度だけしか通れず、同じゲートを二度通る、反対側から通るなどの行為は通過とは認められません。

第一ゲートまで通ったボールを1点ボール、第二ゲートまで通ったボールを2点ボール、第三ゲートまで通ったボールを3点ボールといいます。3点ボールの状態で、最後にゴールポールに当てると上がり球(5点ボール)になってその瞬間にコートから取り除かれます。上がり球には当然継続打撃権もありません。

得点の仕組み:ゲートボールでは各ゲートを通過するたびに1点が加算される。ゲートは図に示した向きでしか通れず、ゲートの順番を飛ばすことはできない。3点ボールの状態で最後にゴールポールに当てると5点ボール(上がり球)となり、その球はゲームから取り除かれる。

ここまでくればチームの得点を計算できますね。各球について0,1,2,3,5点の5状態があります。ボールが全部で10個あるので、可能な得点パターンは5の10乗あるということになります。

赤チームの各球の得点が1,1,2,3,5だったとすれば、合計は12点、白チームの各球の得点が2,2,3,3,3だったとすれば13点となります。この場合白チームが13-12で勝ちということです。パーフェクトゲームは25点になります。簡単でしょう?

得点が同じだった場合はどうするんだという疑問については後ほど説明します。ちなみにチームの合計得点に24点はありえません。理由を考えてみてください。

1 1 2 3 5 12
2 2 3 3 3 13

得点の計算方法:ゲートボールでは各球に得点が加算され、その合計得点で勝敗を競う。赤チームは1番、3番が1点、5番が2点、7番が3点、9番が5点で合計点が12点であるのに対し、白チームは2番、4番が2点、6番、8番、10番が3点で合計点が13点であることから、12-13で白チームの勝ちとなる。

継続打撃権の話に戻りましょう。自球がゲートを通過して得点が加算された場合(つまり自球が得点の発生するゲート通過をした場合)に限り、コート内の止まった位置からもう一度打撃できるという継続打撃権が発生します。もし自球がコート外へと飛び出てしまった場合、継続打撃権を得ることはできません。もし、第一ゲートを通って発生した継続打撃権により、第二ゲートを一発で通ればさらに継続打撃権が発生します。ゲートも通らず、球にも当たらずとなったところで打者は継続打撃権を使い果たし、打順が終わります。

継続打撃権:自球がゲートを通過して1点加算されると、ボーナスとして自球の停止位置からもう一回打撃できる。これを継続打撃権という。